訪問入浴とはどんな仕事か
訪問入浴とは、自宅での入浴が困難な要介護者のご自宅に、専用の浴槽を持参して入浴サービスを提供する仕事です。
1チームの基本構成は看護師1名+介護スタッフ2名の3人。専用の車両で浴槽や機材を運び、ご利用者のお宅を1日に複数件まわります。
在宅介護の現場でありながら、病棟や施設とは異なるスピード感と独特のやりがいがあります。
看護師の具体的な役割と1日の流れ
訪問入浴における看護師の役割は、単に「入浴介助をする」ではありません。医療職として判断が求められる場面が随所にあります。
主な業務内容
- 入浴前後のバイタル測定(血圧・体温・SpO2など)
- 入浴可否の判断(体調によっては清拭に変更する判断も看護師が担う)
- 入浴後の着替え介助
- 処置(褥瘡の確認・軟膏塗布など)
- 介護スタッフへの指示・連携
「バイタルを測るだけ」ではなく、その数値をもとに「今日は入浴できるか」を判断する責任が看護師にあります。これは介護スタッフにはできない、看護師ならではの仕事です。
1日のスケジュール(例)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 8:30 | 出発・1件目へ向かう |
| 午前 | 3件訪問(1件30〜45分) |
| 昼 | 休憩 |
| 午後 | 4件訪問 |
| 夕方 | 帰社・記録 |
1日の標準件数は7件(午前3件+午後4件)。繁忙期や人手不足の日は8〜10件になることも。現場スタッフから「6件では会社の収益が出ない」と聞いたとき、この仕事の経営構造を実感しました。
実際に2ヶ月やってみてキツかったこと
正直に言います。体力的にはキツいです。でも2ヶ月続けています。
一番しんどいのは移乗と着替え
要介護度の高いご利用者の移乗介助と着替えが、体への負担として一番大きいと感じています。
ベッドから浴槽への移乗、入浴後の更衣…これを1件ごとに繰り返します。腰への負担は積み重なります。50代の身体には、正直ズシっときます。
件数が多い日は集中力も削られる
7件を超えると、後半は体力だけでなく判断力の維持にも気を使います。バイタルを見て「今日は清拭に変更すべきか」という判断を、疲れた状態でも正確にしなければならない。これが看護師としてのプレッシャーです。
逆に「これはよかった」と感じていること
キツいことばかりではありません。2ヶ月続けてきた理由もあります。
関係性が「入浴だけ」で完結する気楽さ
在宅の訪問入浴という仕事は、ご利用者との接点が入浴の時間だけです。
病棟のように24時間同じ患者さんの経過を追い続けるわけではない。施設のように毎日顔を合わせて濃い関係を築くわけでもない。その時間、その場所で、ちゃんと役に立てればいい。そのシンプルさが、私には合っています。
チームワークが生まれやすい
3人で1チームという少人数体制は、連携が生まれやすいです。毎日同じメンバーではなくても、「今日のチームで今日のお宅を無事に終える」という感覚は、小さな達成感につながります。
こんな人に向いている/向いていない
向いている人
- 体を動かすことが苦にならない
- ご利用者との関係を「適度な距離感」で保ちたい
- 病棟の人間関係に疲れた
- 時間がある程度読める働き方がしたい
向いていない人
- 腰や膝に持病がある
- 夏の屋外移動・車内待機がしんどい(真夏は過酷です)
- ご利用者と継続的な関係を築きたい
訪問入浴で働くなら、派遣という選択肢
訪問入浴の求人は、正社員・パート・派遣とさまざまな雇用形態があります。私自身は派遣看護師として働いています。
派遣のメリットは、職場が合わなければ次を探しやすいこと。訪問入浴は会社によって件数・エリア・チームの雰囲気が大きく違うので、最初から正社員で固定するよりも、派遣で「合う職場」を見極めてから判断するのも一つの方法です。
私が利用したのはメディカルコンシェルジュ。訪問入浴の求人も取り扱っており、担当者に条件を細かく相談できました。
まとめ
訪問入浴の看護師の仕事を、2ヶ月の現場経験をもとに正直にお伝えしました。
- 1日7件が標準、移乗・着替えで体への負担は大きい
- 入浴可否の判断など、看護師としての専門性が求められる
- 「入浴だけの接点」という関係性のシンプルさは、人によっては大きな魅力
- 雇用形態は派遣から始めて職場を見極めるのもあり
「訪問入浴、気になるけど自分に合うかな」と思っている看護師さんの参考になれば嬉しいです。
私自身もまだ2ヶ月目。これからも現場のリアルを書き続けていきます。
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